総合診療をめざすみなさまへ

Programs熊本大学総合診療専門研修プログラム募集

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総合診療専門医とはGeneral practitioner

総合診療専門医は、2013年4月の「厚生労働省 専門医の在り方に関する検討会報告書」にもとづき、総合診療領域を「基本領域」として加えること、専門医の名称は「総合診療専門医」とし、19番目の基本領域として養成することとされた。

総合診療医に求められるものとしては、「日常的に頻度が高く、幅広い領域の疾病と傷害等について、わが国の医療提供体制の中で、適切な初期対応と、必要に応じた継続医療を全人的に提供することが求められる。」とされた。

領域別専門医が「深さ」が特徴であるのに対し、総合診療医は「扱う問題の広さと多様性」が特徴である。
領域別専門医の18基本領域が、より高度な専門性を追求するのに比べると、地域医療では、より幅広い領域の診療も求められ、まさに総合診療領域が必要とされる。

このプログラムが目指すものWhat this program aims to achieve

熊本で生涯にわたって自身で成長できる総合診療専門医・家庭医を養成する

当プログラムは、2018年4月から導入された、「新専門医制度」に対応したプログラムです。
熊本大学が提供するプログラムですが、研修3年間のそのほとんどを熊本県全域にわたる多数の協力医療機関で研修を行うことができる”オールくまもと”の体制が大きな特徴です。

その中でも、くまもと県北病院および天草市立河浦病院は、熊本大学の総合診療教育拠点として大学の教員を配置しており、臨床面だけでなく研究面についても充実した指導体制を整えています。教育拠点として卒前から卒後にいたるまで、医学生や臨床研修医が研修にきており、後輩に教えることで自身の学びを深めることができる屋根瓦式の教育を実践しています。

本プログラムは今後、参加施設数だけではなく、研修内容の質も常に向上させることを目指しております。
また、私たちのプログラムでは、プログラム修了生に専門医資格を取得させるだけにとどまらず、時代によって変化する地域に対応し、生涯にわたって、自身で成長できる総合診療専門医・家庭医となることを目標としています。

熊本で、皆さんのご参加をお待ちしています。是非一緒に学んでいきましょう。

病前・病気・病後すべての経験・実践を大事にしています

当プログラムでは、指導医からフィードバックを受けながら、日々、複数の疾患を併せ持つ方や、他科的に診断がつかなかった方などの診療を通して、専攻医としての腕を磨き、地域医療に貢献しています。

また、臨床の現場で診療を経験するだけではありません。
地域の住民に対して健康講座を開催する等、予防にも積極的に参画します。

このプログラムではこのような人を求めています

  • 家庭医に必要な能力を身につけたい

    将来、診療所〜中規模病院での開業を含めたキャリアを考えていて、軽症から重症まで様々な問題を抱えた患者の診療を行う臨床能力を身につけたい。

  • 病院総合医に必要な能力を身につけたい

    中〜大規模病院の病院総合医として、併存疾患の多い患者の主治医機能を担い、頻度の高い一般的なベッドサイドの手技を実施でき、診断困難事例への対応ができるようになりたい。

  • 場に応じた臨床能力

    グループホーム、老健施設、特別養護老人ホームなどの施設入居者の日常的な健康管理ができ、施設入居者の急性期の対応と入院適応の判断を、入院施設と連携して行うことができるようになりたい。

  • 地域連携を活かした在宅支援に興味がある

    地域連携を活かした退院支援や、緩和ケア(在宅を含む)、リハビリ、在宅診療などに興味がある。

  • 開業前のトレーニング、復職の場として興味がある

    現在、すでに医師として十分経験があるが、開業前にトレーニングを行いたい/現在、休職中であるが、復職の場としてこの領域に興味がある。

  • 学び続ける医師を目指したい

    診療の場で生じた疑問について、EBM手法を利用して解決でき、次の学びや実践の課題を設定し、学び続けることができる医師になりたい。

  • 大学院・留学に興味がある

    アカデミックな面も経験を積みながら、将来、大学院や海外留学などに進んでみたい。

当プログラムの魅力

プログラムのスケジュールRotation schedule

プログラム期間は原則として3年間で、総合診療専門研修・必要領域別研修・選択科研修で構成されます。
選択研修は自分のキャリアに合わせて自由に調整可能です。

総合診療研修
(合計18ヶ月以上)
Ⅰ(診療所・中小病院)
Ⅱ(病院総合診療部門)
6ヶ月以上
6ヶ月以上
必要領域別研修
内科
小児科
救急科
6ヶ月以上
3ヶ月以上
3ヶ月以上
選択科研修
整形外科・皮膚科・精神科 etc…
希望に応じて

<総合診療専門研修Ⅰ>

  • ・外来診察
    日常よく遭遇する症候や疾患への対応(外傷も含む)、生活習慣病のコントロール、患者教育、心理社会的問題への対応、高齢者ケア(認知症を含む)、包括ケア、継続ケア、家族志向型ケアにも従事する。
  • ・訪問診療
    在宅ケア、介護施設との連携などを経験し在宅緩和ケアにも従事する。
  • ・地域包括ケア
    学校医、地域保健活動などに参加する。

<総合診療専門研修Ⅱ>

  • ・病院診療
    臓器別ではない病棟で、主として高度医療技術の必要のない成人・高齢入院患者や複数の健康問題(心理・社会・倫理的問題を含む)を抱える患者の包括ケア、癌・非癌患者の緩和ケアなどを経験する。
  • ・外来診療
    臓器別ではない外来で、救急も含む初診を数多く経験し、複数の健康問題をもつ患者への包括的ケアを経験する。

<必要領域別研修>

  • ・領域別内科研修
    一般内科または臓器別の内科において、内科疾患の患者の診察を幅広く経験する。病棟の主治医として主に急性期患者の診療を経験する。
  • ・小児科研修
    外来診療:指導医の下で初診を数多く経験し、小児特有の疾患を含む日常的によく遭遇する症候や疾患の対応を経験する。
    救急診療:指導医の監督下で積極的に救急外来を担当し、軽症(1次)救急を中心に経験する。
    病棟診療:日常的によく遭遇する疾患の入院診療を担当し、外来・救急から入院に至る流れと基本的な入院ケアを学ぶ。
  • ・救急科研修
    外科系・小児を含む全科の主に軽症から中等症救急疾患の診療を経験する。

専攻医のローテーション例

年 月 研修先 研修内容
1年目 4月 熊本大学病院 総合診療科 総合診療Ⅱ
5月
6月
7月
8月
9月
10月
くまもと県北病院  内科 内科
11月
12月
1月
2月
3月
熊本赤十字病院 内科 内科
2年目 4月 同上 同上
5月
6月
7月
くまもと県北病院 小児科 小児科
8月
9月
10月
11月
12月
くまもと県北病院 総合診療科 総合診療Ⅱ
1月
2月
3月
熊本医療センター 救急科 救急科
3年目 4月
5月
人吉医療センター 外科 選択研修
6月 人吉医療センター 産婦人科 選択研修
7月 くまもと県北病院 皮膚科 選択研修
8月 くまもと県北病院 整形外科 選択研修
9月 天草地域医療センター 放射線科 選択研修
10月
11月
12月
小国公立病院 総合診療Ⅰ
1月
2月
3月
天草市立河浦病院 総合診療Ⅰ

メッセージMessage

くまもと県北教育拠点

指導医田宮 貞宏

くまもと県北病院に設置されたくまもと県北教育拠点ではクリクラの学生、初期臨床研修医、総合診療専攻医が集い、指導医とともに地域での総合診療に取り組んでいます。

地域医療のHubとしての総合診療、まだ君の知らない総合診療がここにある…
総診はいいぞ。

指導医小山 耕太

ようこそ、熊本大学総合診療専門研修プログラムへ!

私は、プログラム内の主に病院総合診療領域(総合診療II)を担当する、小山耕太と申します。2015年に「くまもと県北病院」に熊本大学学外教育拠点の立ち上げメンバーです。以来、延べ約100名の卒後臨床研修医・総合診療専攻医、300名以上の熊本大学医学部学生の臨床教育、指導に従事して参りました。様々な分野・領域の指導の結果、現在までに約10名の専門医を輩出し、かつての専攻医は指導医として活躍しております。患者の年齢・性別・妊娠の有無、愁訴の種類や病態、診療場所や設備環境にとらわれない、「医師」を一緒に目指しませんか!

また、当科では将来的な進路として、病院/診療所/開業医の臨床教育医の他、大学病院研究職、熊本県医療政策課行政医といった多様な「道」も提供しております。

我々と一緒に、ゆっくりだけど、確実に前進しましょう!

指導医中村 孝典

鋭意執筆中!

河浦教育拠点

指導医鶴田 真三

鋭意執筆中!

専攻医・卒業生の声

総合診療専門医平賀 円

専門:3年間の後期研修はあっという間でした。くまもと県北教育拠点では、一般外来・救急外来・病棟管理といった病院総合医として働いたり、地元のクリニックDrの訪問診療や健診業務に同行して家庭医療の側面も学んだり、多彩な経験を積む事ができました。屋根瓦式の教育では若手先輩医師や初期研修医、学生と同じチームで診療にあたりますが、分からないことはすぐに質問できる環境ですし、疑問点があれば文献で調べるという習慣もつきました。

後期研修3年目は、拠点病院から離れて中小規模病院で研修を行いましたが、毎週のフィードバックや大学および教育拠点とのテレビカンファレンスなども充実しており、充実した時間を過ごすことができました。

3年間の後期研修を終え、皆無事に総合診療専門医を取得することができました。
私が研修したこのプログラムは自信を持ってお勧めできるものだと思います。
後期研修先を悩んでいる先生がおりましたら、ぜひ熊本大学へ。

専攻医本田 宏介

現在、天草市の河浦という小さな町の病院で、総診Ⅰを研修しています。赴任後最初の患者さんはムカデ咬傷でした。マダニ咬傷の患者さんも多数来院し、釣り針が引っ掛かった、海岸で転んで怪我をしたなど、田舎ならではの患者さんが多い印象です。

老健施設への回診、山奥に住みなかなか通院できない方の訪問診療も合わせて月に20~30人程度行っています。患者さんは外来入院とも70~90代の方が多く、病状説明時はなるべく医療用語は使わない、蛇腹拡声器を使うなど、工夫が必要です。

3次医療を要する患者さんを診る機会はほとんどないですが、都市部ではなかなか診ない症例、地元の方々との交流、巨大な牡蠣や新鮮なイカなど、天草の美味しい魚介類を楽しんでいます。

総合診療専門医久保崎 順子

私は少しでも患者さんの幸せに貢献出来たらいいなと思って仕事をしています。 現在医師8年目となりました。もともと体力に自信がある方ではありませんが、途中で力尽きることなくやっていけています。

一言に総合診療科といっても、病院によって、その仕事内容や大変さも変わってきます。いろいろな病院を経験すると、それぞれの場所での面白さが見つけられます。そしてどこへ行っても、総合診療科は必要とされています。

良い医師になるためには、もちろん医学的知識・経験は最も大切ですが、人間力が大事だなと感じます。みなさんの、勉強以外のいろんな経験が活きてくると思います。 なので、どんな方でも楽しみを見いだせる科ではないかと思います。

総合診療科に興味を持つ方が増えると嬉しいです。

大学院生の声

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鋭意執筆中!

専攻医募集要項Recruitment

令和7年度熊本大学 総合診療専門研修プログラム(更新申請中)

  • 専攻医募集概要
  • 応募資格
    令和7年3月末までに医師法の規定する2年間の臨床研修修了予定の方
    募集人員
    10人
    研修期間
    3年間
    研修開始
    令和7年4月1日
    身分・処遇
    各研修協力施設の定めるところによる

※熊本大学総合診療専門研修プログラムの専攻医募集要項はこちらからもご確認できます。

熊本大学総合臨床研修センター

応募手続

期間

随時

日本専門医機構のスケジュールは以下のとおり
(日本専門医機構 専攻医登録・応募について)

応募方法

ご応募には、当講座もしくは大学病院への応募書類提出と併せて、日本専門医機構の専攻医登録サイトでの登録が必要となります。

  • 1.下記より日本専門医機構の応募フローに沿って応募してください。
    (日本専門医機構 応募フロー)
  • 2.面接は当講座で行います。
    下記代表メールアドレスもしくはお問い合わせフォームからご連絡ください。
    担当教員が採用面接の日程について調整いたします。必要書類は面接前までにご郵送ください。

※採用面接は令和7年2月末までの間に随時実施いたします。採用結果は個別に通知いたします。

連絡先

熊本大学病院 地域医療・総合診療実践学寄附講座
担当者 佐土原
E-mail: kumaresi(アットマーク)kumamoto-u.ac.jp
TEL: 096-373-5631

応募書類
  • ・履歴書(採用面接前までに郵送)
  • ・初期臨床研修修了証明書もしくは初期臨床研修修了見込証明書
  • ・医師免許証写し
  • ・推薦状(本院初期臨床研修プログラム履修者は不要)

※様式・詳細は、以下よりダウンロード・ご確認ください。
※処遇に関しては、各研修協力施設によって異なります。

熊本大学病院 総合臨床研修センター 専攻医募集要項

郵送先:〒860-8556
熊本県熊本市中央区本荘1-1-1
国立大学法人 熊本大学病院 地域医療・総合診療実践学寄附講座 宛

選考方法

書類選考の上、面接試験を実施いたします(日時は個別に相談の上、決定いたします)

  • 最後に、プログラム責任者よりのメッセージ

    熊本は、大学病院が位置する熊本市を中心に、水と緑に囲まれた非常に住みやすい県です。熊本市内より、県内のほとんどの地域には、車で2時間以内で行くことができます。医師数も、県全体としては、全国平均をはるかに上回っています。政令指定都市である熊本市は、高次医療機関、亜急性期あるいは慢性期を担う医療機関と、機能分化と連携が全国でも進んでいる地域で、高いレベルの医療が途切れなく提供されています。その一方で、熊本市内に多くの医療機関が集中しており、地域間の医師偏在が問題となっています。

    少子高齢化が進む中、総合診療医への期待は高まりつつあります。活躍の場は、都市部の大きな病院はもとより、地域の病院や診療所も含め、様々な選択肢があります。私たちの熊本大学総合診療専門研修プログラムは、熊大病院をはじめとした熊本市内の施設はもとより、指導体制が整った県内の多くの施設から構成され、本人の希望に合った研修が可能となっています。タイプの異なる研修施設において、多様で十分な経験を積むことができるよう配慮しています。

    平成30年(2018年)より始まった新しい専門医制度の中では、私たちの総合診療医専門プログラムにより、これまで5名の方々が資格を修得されました。現在、6名の専攻医が総合診療専門医の資格修得を目指し研修中であり、多くの仲間がいます。

    あなたも、我々と一緒に熊本で、総合診療医となるための第一歩をはじめませんか。当プログラムへの参加を、お待ちしています。

    熊本大学総合診療専門研修プログラム
    プログラム統括責任者松井 邦彦

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